執筆:一般社団法人 共同監護機構 編集部(運営者情報)
最終更新日:2026/10/18
「共同親権で離婚することになったけれど、子どものことについて、何をどう決めればいいのかわからない」
「相手と話すのがつらく、話し合いを始める気持ちになれない」
2026年4月から、離婚後も父母の双方が親権(子どもの世話や教育、財産の管理などをする権利と義務)を持つ「共同親権」を選べるようになりました。新しい制度を前に、こうした不安を抱えている方は少なくありません。
そんなときに知っておいていただきたいのが、共同養育計画書です。共同養育計画書とは、離婚や別居をする父母が、離婚後の子育てについて取り決めておく文書のことです。子どもの健やかな成長のための文書であると同時に、父母が将来のもめごとを防ぎ、離婚後の生活を穏やかに送るための備えにもなると言われています。
この記事では、法務省の資料をもとに、次のことをわかりやすく解説します。
- 共同養育計画書とは何か、なぜ今注目されているのか
- 作成は義務なのか
- どんな項目を決めるのか
- 署名・押印や公正証書の考え方
- いつ、どうやって作ればよいのか
共同養育計画書とは
子どもの成長を支え、父母の離婚後の生活も守る取り決め
法務省のパンフレット「こどものための共同養育計画書」(2026年版)では、共同養育計画書を、離婚や別居をする父母が、子どもの健やかな成長のために、離婚後や別居中の子育てについて取り決めをする文書と説明しています。父母の話し合いや、家庭裁判所の調停(裁判官や調停委員が間に入って行う話し合いの手続)などで作成するものとされています。
ここでいう「共同養育」とは、父母の双方が、それぞれに適切な形で子どもに対する責任を果たすことを指します。必ずしも半分ずつ子どもの世話をするという意味ではありません。法務省も、決まった形はなく、実際の状況に応じて子どもにとって一番よい形を選ぶ必要があるとしています。
共同養育計画書には、父母自身のための役割もあります。法務省のパンフレットでは、作成しておくことで、子育ての負担や相手とのやりとりによるストレスを減らせると説明されています。あらかじめルールを決めておけば将来のトラブルに関するリスクを小さくでき、父母それぞれが離婚後の生活を穏やかに送るための土台にもなります。
2026年4月の民法改正で注目されている理由
2026年4月に改正民法が施行され、離婚後も父母の双方を親権者とする共同親権を選べるようになりました。共同親権と、父母の一方だけが親権を持つ単独親権のどちらかが原則というわけではなく、子どもにとってどちらが利益になるかという観点から決めるものとされています。
あわせて、離婚の際に父母の協議で決める事項に「監護の分掌(ぶんしょう)」が加わりました(改正後の民法766条1項)。監護の分掌とは、子どもの世話をする期間を父母で分けたり、教育などの一部を一方に任せたりする取り決めのことです。
共同親権では、子どもの転居や進学先といった重要な事項を、原則として父母二人で決めることになります。離婚後も協力し続ける場面が増えるため、共同養育計画書の重要性はこれまで以上に高まっているといえます。
共同親権の制度そのものについては、後日、別記事で詳しく解説していきます。
離婚協議書との違い
離婚の際に作る書類として、「離婚協議書」を思い浮かべる方も多いでしょう。一般に、離婚協議書は財産分与や慰謝料なども含めた離婚の条件全般を取り決める書類で、共同養育計画書は子どもの養育を中心に取り決める書類です。
ただし、親権者や養育費、親子交流など、子どもに関する取り決めは両方に共通しており、重なる部分が多くあります。
共同養育計画書の作成は義務?
法律上の義務ではありません
共同養育計画書の作成は、法律上の義務ではありません。
民法改正を審議した国会では、離婚する父母に共同養育計画の作成を義務づけるべきではないかという質疑もありました。しかし政府は、義務化によって離婚が困難になり、結果として子どもの利益に反するおそれがあるとして、慎重な検討が必要だと答弁しています(参議院常任委員会調査室の解説による)。
それでも国が作成を勧めている理由
一方で、国は作成を後押ししています。
- 民法改正の際、衆議院と参議院の法務委員会がそれぞれ附帯決議(法律の運用にあたって委員会が政府に求める事項)を行い、共同養育計画の作成を促進する事業への支援などを検討するよう求めました。
- 国は、共同養育計画書について説明したパンフレットを作成し、自治体の窓口で離婚届の用紙と一緒に渡すよう依頼しているとされています。
- 民法では、協議離婚の際に、子どもの監護の分担、親子交流、養育費の分担なども取り決めるものとされ、その際には子どもの利益を最も優先して考慮しなければならないとされています。
つまり、「義務ではないけれど、子どものために作っておくことが国からも勧められている文書」といえます。2026年4月から変わった離婚届の取り決めの欄と、取り決めの中身を残す方法については、[離婚届の「取り決め」欄とは?2026年4月の改正点と、中身を残す共同養育計画書]で解説しています。
話し合いだけで離婚できる日本だからこそ
法務省がG20を含む海外24か国を対象に行った調査(2020年公表)では、子どもの有無にかかわらず、父母の話し合いだけで離婚する「協議離婚」が認められていない国が多いとされています。英国やドイツ、オーストラリアなどでは、協議離婚が認められておらず、離婚には裁判所が関与するとされています。協議離婚ができる韓国でも、子どもの養育に関する事項を取り決めて家庭裁判所に提出する必要があるとされています。
一方、日本では、未成年の子どもがいても、父母が話し合って離婚届を提出することで離婚できる仕組みになっています。子どもについての取り決めを第三者が確認する場面が少ないからこそ、父母が自分たちで共同養育計画書を作り、取り決めを形にしておくことが大切だといえます。
取り決めがないまま離婚すると、どうなる?
養育費は「暫定的な最低限」になりやすい
2026年4月以降、養育費を取り決めずに離婚した場合でも、子どもを主に監護している親は、もう一方の親に「法定養育費」を請求できるとされています。ただし、その額は子ども1人あたり月2万円で、あくまで取り決めをするまでの暫定的な制度とされています。
法務省も、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費を、速やかに取り決めることが重要だとしています。
行事や長期休みのたびに、相手との交渉が必要になる
親子交流(離れて暮らす親と子どもが会ったり連絡を取ったりすること)の頻度や、誕生日・夏休み・年末年始の過ごし方、子どもの受け渡しの時間や場所。取り決めがなければ、こうしたことを行事や長期休みが来るたびに相手と話し合って決めなければなりません。
相手と話すこと自体が負担な場合、この「その都度の交渉」が大きなストレスになりかねません。
共同親権で「二人で決める」場面に、意見が割れる
共同親権では、子どもの転居や進学先、重大な医療など、重要な事項を父母二人で決めることになります。法務省のパンフレットでは、父母の合意ができない場合には迅速な決定ができず、子どもの不利益になる場合もあり得ると説明されています。
意見が分かれたときにどう決めるかを、あらかじめ取り決めておくかどうかで、いざというときの対応が大きく変わります。
取り決めがないと困る具体的な場面は、後日、別記事で詳しく紹介していきます。
共同養育計画書を作っておく3つのメリット
1. 子どもの生活が安定する
法務省のパンフレットでは、両親の争いにさらされると、子どもの成長や発達に悪影響が生じる可能性があることが多くの研究でわかっている、と紹介されています。生活のルールを前もって決めておけば、父母が争う機会そのものを減らし、子どもが安心して過ごせる環境を整えやすくなります。
2. 父母の生活も安定する
決めることが決まっていれば、日々の連絡は確認や調整だけで済みます。法務省も、共同養育計画書を作成しておくことで、子育ての負担や相手とのやりとりによるストレスを減らせるとしています。
また、子どもの進学や転居、親の再婚など、離婚後には状況が変わる出来事がいくつもあります。あらかじめルールを決めておけば、もめごとの火種を小さくでき、父母それぞれが新しい生活を穏やかに送りやすくなります。法務省も、「子どもの小学校入学時」など事情が変わりそうなタイミングで見直すことを決めておくと、話し合いがしやすくなるとしています。
3. 養育費の不払いや、親子交流が行われない場合に備えられる
養育費の取り決めを文書にしておくと、支払われなかった場合に、その文書を使って差押えを申し立てられるとされています(子ども1人あたり月8万円まで)。詳しくは後の「署名・押印と公正証書」で説明します。
親子交流が約束どおり行われない場合も、取り決めた文書があれば、何を約束していたかが明確になり、改めて話し合ったり家庭裁判所の調停を利用したりする際の出発点になると考えられます。なお、家庭裁判所の履行勧告(取り決めを守るよう勧告してもらう手続)などを利用できるのは、調停や審判で決められている場合とされています。

共同養育計画書で決める主な項目
法務省が示す6つの項目
法務省のパンフレットでは、共同養育計画書に記載することとして、次の6つの項目が挙げられています。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 親権者・監護者 | 共同親権にするか、どちらか一方の単独親権にするか。必要に応じて、日常の世話や教育を担う監護者を決める |
| 子どもが住む場所 | 子どもの住所(主に生活する家)をどちらにするか。期間によって世話を分担する場合はその分け方 |
| 養育費・婚姻費用 | 金額、支払う期間、支払う時期、入学金などの特別な出費の分担 |
| 親子交流 | 会う頻度や時間、宿泊の有無、受け渡しの方法、電話やSNSでの交流 |
| 重要な事項の決め方 | 子どもの名字、転居、医療、進学・就職などを、どちらがどのように決めるか |
| 再協議 | 子どもの成長や生活の変化に応じて、いつ見直しの話し合いをするか |
単独親権を選ぶ場合でも、親子交流や養育費、重要な事項について親権者でない親がどう関わるかなど、決めておくとよいことは多くあります。なお、「重要な事項の決め方」を決めておかないと起きやすいトラブルについては、[共同親権の離婚後に起きやすいトラブル4つと、取り決めで防ぐ方法]で解説しています。

実際に共同養育を始めると、決めておきたくなること
6つの項目は基本です。ただ、実際に共同養育を始めると、もう一歩具体的に決めておけばよかったと感じる場面も出てきます。たとえば、次のようなことです。
夏休みや年末年始などの過ごし方
長期休みや誕生日、年末年始は、父母のどちらも子どもと過ごしたい時期です。「年ごとに交代する」「前半と後半で分ける」など、あらかじめ決めておくと毎年の話し合いが不要になります。
顔を合わせずに済む受け渡しの方法
「学校に登校した時点で受け渡しが完了したものとする」といった決め方をすれば、父母が直接顔を合わせずに子どもの受け渡しができます。相手と会うことに負担を感じる方には、特に検討していただきたい方法です。
子どもの急病や事故のときの対応
子どもが体調を崩したときに誰が看病するか、緊急の治療が必要になったときにどう連絡し、誰が判断するか。迷っている時間がない場面だからこそ、事前に決めておく意味があります。
学校からの書類や成績の共有
学校からのお知らせや成績表は、受け取った親の手元に集まりがちです。「受け取ったら何日以内に共有する」と決めておけば、もう一方の親も子どもの様子を把握できます。
決めておくとよい事項については、後日、別記事で詳しく解説していきます。
共同養育計画書を「合意の証拠」として残すには:署名・押印と公正証書
署名・押印のある文書は、合意の証拠になり得る
共同養育計画書が父母の自由な話し合いによって作られたことを示すため、法務省は、父母それぞれが自筆で署名し、押印することを勧めています。押印は、実印や、離婚届に押したものと同じ印鑑が望ましいとされています。
養育費が取り決めどおりに支払われない場合、その計画書を裁判所に提出して差押えなどを申し立てる際には、計画書が父母双方の意思で作られたことを示す証拠が必要になります。十分かどうかは最終的に裁判所が判断しますが、署名や押印のほか、作成までのメールやSNSのやりとり、支払いの記録(通帳など)も証拠になり得るとされています。
署名や押印の有無は、法律上の扱いにも関わります。民事訴訟法では、本人の署名か押印がある文書は、本人の意思で作られたもの(真正に成立したもの)と推定するとされています(民事訴訟法228条4項)。電子文書についても、本人による一定の要件を満たす電子署名があれば、同じように推定するとされています(電子署名法3条)。署名も押印もない文書の場合は、こうした推定が働かないため、作成までのやりとりなど、ほかの証拠で示す必要があるとされています。
公正証書や調停調書が必要になる場面
法務省のパンフレットによると、養育費の取り決めを文書にしていれば、子ども1人あたり月8万円までは、その文書を使って差押えの手続きを申し立てられるとされています。それを超える部分について差押えをするには、公証人が作成する公正証書や、家庭裁判所で作成される調停調書などの特別な文書が必要になるとされています。
公正証書の作成方法や手数料は、日本公証人連合会のWebサイトで調べることができます。取り決めの内容や個別の事情によって必要な手続きは異なりますので、具体的には弁護士などの専門家にご相談ください。
共同養育計画書はいつ、どうやって作る?
離婚前が望ましいが、離婚後でも作れる
法務省は、共同養育計画書は離婚や別居の前に作成するのが望ましいとしつつ、離婚や別居の後に作成しても構わないとしています。すでに離婚している方も、今から作ることができます。
なお、離婚後に作成する場合は、それまでの法定養育費をどうするかも話し合う必要があり、基本的にはいったん清算するのが望ましいと考えられるとされています。
作る前に確認しておきたいこと
法務省のパンフレットでは、共同養育計画書を作る前に、父母の双方が次のように行動できるかを確認するよう勧めています。
- 相手に自分の意見を言え、相手の意見にも耳を傾けられる
- 子どもの思いや意見に耳を傾けられる
- 親のけんかに子どもを巻き込まない
- 子どもの成長に伴って変更が必要になったら、また話し合う
自分たちだけで話し合うのが難しい場合は、支援を活用することも勧められています。
話し合いがつらいとき、身の危険があるとき
「相手と顔を合わせるのがつらい」「話すとすぐ感情的になってしまう」。そうした場合でも、あきらめる必要はありません。ADR(裁判所の外で、中立な第三者が話し合いを支援する手続)を利用する方法や、顔を合わせずに進められる方法もあります。
一方、DV(配偶者などからの暴力)や児童虐待があり、身の危険を感じる場合は、話が別です。法務省は、DVがある場合には親子の安全と安心を確保するため、すぐに相談窓口に連絡するよう呼びかけており、無理に話し合う必要はないとしています。まずは次の窓口にご相談ください。
- DV相談ナビ:#8008(お近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります)
- 児童相談所虐待対応ダイヤル:189
- 法テラス・サポートダイヤル:0570-078374(法的トラブルの相談窓口の案内)
作り方は大きく3つ
共同養育計画書の作り方は、大きく分けて次の3つです。それぞれにメリットと注意点があります。
1. 自分たちで作る
公的機関や支援団体が公開している記載例などを参考に、父母で作る方法です。費用がかからず、すぐに始められるのが利点です。一方で、公開されている記載例は、どの家庭にも必要な基本の項目が中心です。長期休みの過ごし方や受け渡しの方法など、より細かい取り決めは自分たちで考えて書き足す必要があり、決めるべき項目の抜け漏れにも自分で気づかなければなりません。相手との話し合いも、すべて自分たちで進めることになります。
2. 専門家の支援を受ける
弁護士に依頼したり、ADRで第三者に話し合いを支援してもらったりする方法です。個別の事情に合わせた助言を受けられ、弁護士に依頼すれば相手との交渉を任せることもできます。一方で、依頼する内容によっては費用が比較的高額になりやすく、相談の日程を調整する手間もかかります。
3. アプリで作る
共同養育を支援するアプリの案内に沿って、項目を選びながら作る方法です。アプリによっては、専門家の監修を受けたテンプレートを使えるもの、相手と顔を合わせずに提案から合意まで進められるもの、作った計画書をアプリ内に保存して後から見直せるものもあります。一方で、相手にも同じアプリを利用してもらう必要があり、個別の事情についての法的な助言は受けられません。必要に応じて専門家への相談と組み合わせるとよいでしょう。
どの方法が合うかは、相手との関係や、どこまで細かく決めたいか、かけられる費用によって変わります。それぞれの特徴や費用の考え方は、後日、別記事で詳しく比較していきます。

相手と顔を合わせずに作るなら:Copakの共同養育計画書
「相手と直接話さずに、きちんとした共同養育計画書を作りたい」。そうした方のために一般社団法人 共同監護機構が提供しているのが、共同養育アプリ「Copak(コパック)」の共同養育計画書の作成機能です。(アプリ内では「やくそく」という名前で表示されます。)
顔を合わせずに、合意できるところから決められる
Copakでは、協議する項目ごとに選択肢から選び、父母が合意できた項目から計画書にまとめていきます。一方が案を作って提案し、もう一方が内容を確認して、合意できる部分は合意し、合意できない部分は代わりの案や理由を返す。この流れを、すべてアプリ内で進められます。協議が終わったら、合意した内容を文書にして電子署名を行います。この仕組みは特許出願中です。
なお、Copakは父母の交渉を仲介するサービスではありません。話し合いがまとまらない場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。
海外の事例を研究した、実践的な取り決めまで
Copakの共同養育計画書は、米国など海外で用いられている共同養育計画書を参考に、海外の共同親権の事例を研究して日本向けに作られています。
そのため、基本の項目に加え、この記事で紹介した長期休みの過ごし方や顔を合わせない受け渡しなど、共同養育を実際に始めてから役立つ取り決めまで、より具体的に定めることができます。基本の項目をしっかり押さえたうえで、日々の運用まで決めておきたい方に向いています。親権・財産分与・養育費など、離婚協議書に書く主な内容もカバーしています。ただし、親権者は、離婚届への記載や家庭裁判所の手続きで正式に定める必要があるとされています。
テンプレートは、共同親権の2つのタイプと単独親権のそれぞれに、基本項目に絞った「ライト」と、子どもの居住地など先々に向けた重要項目までカバーする「ミディアム」があり、全6種類です。ゼロから項目を選ぶこともできます。解説文とテンプレートは、弁護士事務所の監修を受けています。
電子で保管し、成長に合わせて見直せる
Copakで合意した計画書には、父母それぞれの名義の電子証明書による電子署名と、タイムスタンプ(その時刻に文書が存在し、それ以降変更されていないことを示す技術)が付与され、電子印つきのPDFとしてCopakが保管します。誰がいつ署名し、その後書き換えられていないかを確認できる仕組みです。署名も押印もない文書や口約束と比べて、合意した内容とその証拠を確かな形で残しやすいのが特長です。紙の書類のように紛失するおそれもありません。
子どもの成長に合わせて内容を見直すときもアプリ上で更新でき、更新すると新しいPDFが作られ、以前の版の記録も残ります。
なお、証拠としてどのように扱われるかは、最終的には裁判所が判断します。公正証書にしたい場合や、手続きに使うことを考えている場合は、公証役場や弁護士などの専門家にご相談ください。
料金と、相手に提案する前に知っておきたいこと
共同養育計画書の作成は、Copakの一般会員(有料)の機能です。料金は1名あたり、半年プランが5,000円、年間プランが8,000円(いずれも税込)です。半年プランなら、父母2人で10,000円が目安です。子どもが2人以上でも追加料金はかかりません。
相手に利用を提案する前に、次の点を必ずご確認ください。
- 父母の双方が一般会員になる必要があります。 一方だけが一般会員でも、共同養育計画書の作成を含む一般会員の機能は使えません。申し込む前に、相手と利用するプランについて合意しておいてください。一方だけが加入した場合の返金には対応していません。
- 一般会員の期間が切れると、計画書は保管されたまま閲覧できなくなります。 期間内にダウンロードしておくことを強くおすすめします。なお、ダウンロードは別料金です。
Copakは単独親権の場合にも対応しており、離婚後からでも利用できます。

よくある質問
すでに離婚していても、共同養育計画書は作れますか?
作れます。法務省は、離婚や別居の前に作成するのが望ましいとしつつ、離婚後に作成しても構わないとしています。離婚後に作る場合は、それまでの法定養育費をどうするかも話し合う必要があり、基本的にはいったん清算するのが望ましいと考えられるとされています。
単独親権を選ぶ場合も、作ったほうがよいですか?
作っておくことをおすすめします。親権を持たない親も子どもを扶養する義務を負い、養育費の支払義務はなくならないとされています。養育費や親子交流のほか、進学や転居をもう一方の親にどう知らせるかなどを決めておくと安心です。
再婚や子どもの進学のときは、どう見直せばよいですか?
法務省は、「作成から〇年後」「子どもの小中学校への入学時」「父母の再婚時」など、事情が変わりそうなタイミングで改めて話し合うことをあらかじめ決めておくと、見直しがしやすくなるとしています。話し合いに、ADRなど第三者のサポートを受けることも考えられます。
相手が作成に応じてくれない場合は、どうすればよいですか?
切り出し方を工夫するほか、ADRや家庭裁判所の調停を利用する方法があります。養育費や親子交流については、養育費・親子交流相談支援センター(フリーダイヤル 0120-965-419)でも相談できます。DVなど身の危険がある場合は、無理に話し合わず、まず相談窓口にご相談ください。
まとめ
共同養育計画書は、離婚や別居をする父母が、離婚後の子育てについて取り決めておく文書です。作成は法律上の義務ではありませんが、国も作成を勧めています。話し合いだけで離婚できる日本では、共同親権を選べるようになった今、その重要性はますます高まっています。
- 子どもの生活が安定する
- 父母の生活も安定し、将来のもめごとを防げる
- 養育費の不払いや、親子交流が行われない場合に備えられる
- 離婚前が望ましいが、離婚後からでも作れる
まずは「合意できるところから」で構いません。
出典・参考資料
- 法務省「離婚・別居を考えているお父さんお母さんへ こどものための共同養育計画書」(2026年版) https://www.moj.go.jp/content/001322060.pdf
- 法務省「『こどものための共同養育計画書』について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00194.html
- 衆議院法務委員会「民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/houmu39FD89707D58A9F949258AFD00296576.htm
- 参議院法務委員会「民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(2024年5月16日) https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/213/f065_051601.pdf
- 参議院常任委員会調査室「令和6年民法(家族法制)改正に関する国会論議」 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20241101117.pdf
- 法務省「父母の離婚後の子の養育に関する海外法制について」(2020年) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00030.html
- 法務省「父母の離婚後の子の養育に関する海外法制調査結果の概要」(2020年4月) https://www.moj.go.jp/content/001318629.pdf
- 政府広報オンライン「離婚後も『共同親権』が選択可能に。改正された子育てに関するルール」 https://www.gov-online.go.jp/article/202607/entry-11439.html
- デジタル庁「電子署名法の概要と認定制度について」 https://www.digital.go.jp/policies/digitalsign/digitalsign_law
- 日本公証人連合会 https://www.koshonin.gr.jp
- 養育費・親子交流相談支援センター https://www.youikuhi-soudan.jp
※この記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な状況については、弁護士などの専門家にご相談ください。
